登場人物はお馴染みのルパン一味だが、全体に雰囲気や展開がハヤオ節である。ラピュタのパズーのようにルパンが壁によじ登ったり、爆発したり、カーチェイスが展開される。次元と食べるパスタも美味しそうだ。アルプスの少女ハイジなどで培ったと思しきヨーロッパの山や湖畔の景色が展開し、味のある古城が舞台になる。そして、女の趣味は完全に宮崎駿の好みだ。
なぜこんなにも有名な作品になったのか、と考えてみる。ルパンというコンテンツ自体に魅力があることに加え、宮崎駿エンターテイメントの一つの完成形だったからだろう、と推察される。上映期間の興行収入が突出していたわけではないそうだが、関係者の評価は一貫して高く、繰り返す地上波での放映などを通して、じわじわと人気を獲得していったらしい。お色気シーンが控えめなこともあり、安心して子供に見せられるというのも大きい。お茶の間で家族みんなで楽しめる作品であるがゆえ、地上波で力を発揮したのかもしれない。
深く考えずとも、質が高くて楽しい。日本が誇る娯楽作品の金字塔であろう。
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