2020年9月30日水曜日

半沢直樹(続編)


 前作で上司である大和田常務への復讐を遂げた後に半沢が異動となり、東京中央銀行の傘下のセントラル証券へ出向中の時点から物語が始まる。ストーリーはお馴染みの展開で、基本は嫌な奴が出てきて、半沢が組織の闇に直面し、正面からぶつかり、仲間が現れ、問題が解決する。

 第二シーズンは歌舞伎役者たちの吹っ切れた過剰な演技がウケたらしい(香川照之、片岡愛之助、市川猿之助、尾上松也)。前作の様式美を踏襲しながらも、お馴染みの敵役や仲間たちが生み出す空気感が心地よい。ベースには家族愛があり、友情があり、信念と侠気で戦う男のドラマが楽しめる。

 原作者だったか、撮影監督だったかがどこかで語っていたが、これはチャンバラの時代劇のような勧善懲悪の娯楽作品らしい。半沢直樹が侍で、会社が藩や幕府のような巨大な権力機構であると考えると納得である。体制にどっぷり浸かりながらも、組織の論理に抗い、個人としてあるべき筋を通す。これは日本人のための娯楽作品なんだろう。諸外国の人々にこの面白さが伝わるかは疑問である。

 日本全国で流行していたドラマの話題は楽しい。こういう作品がもっと増えてほしい。
   

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