2020年6月6日土曜日

自由を守る戦い 日本よ、ウクライナの轍を踏むな!


 日本在住のウクライナ人であるナザレンコ・アレンドリー氏の講演を元にした書籍。2019年発行。氏は1995年生まれで、本書の出版時点で24歳の若者。日本語は堪能である。Twitter上で見る限り、酒と女を愛しており、人間的なバランスも良い。嫌いなのは共産主義だ。

 内容は主に国家のアイデンティティと独立についての主張。祖国ウクライナの歴史を紹介し、2014年にロシアにクリミア地方を奪われるに至った状況に、現代の日本が置かれた状況は酷似していると警鐘を鳴らす。他国へ国防を依存する危険性を指摘するとともに、自国文化の喪失、歴史の改竄、移民を受け入れるリスクが説明され、中国・南北朝鮮・ロシアが用いる侵略手法は標的国は違えど同種であることがよく分かる。共産主義政治がもたらす実害についても詳しく書いている。

 著者は日本の国民性を愛しており、古事記のウクライナ語訳を出版を企図しているという。日本国外にルーツを持つ者から見ての日本の特徴、強み、脆弱性に関する着眼と洞察は鋭く、シンプルで強靭な論理が主張を貫き、読んでいて心地よく腑に落ちる。770円で手に入り、79ページと薄いが、内容は濃くコストパフォーマンスが大変良い。日本の状況を憂う愛国保守の心情を持つ方にはぜひ一読してほしい。
   

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