2019年4月20日土曜日

50mm THE TAKASHIRO PICTURE NEWS


 最近心酔している高城剛の作った紙媒体の雑誌である。2018年5月の発刊で、中国人のレンタル着物ビジネスが席巻する京都、大麻解禁前夜のカナダのケロウナ、移民問題や政治的新興勢力の躍進で混迷と混沌の中にあるヨーロッパ、など、彼が世界中を旅しながら撮った写真と、時代を象徴するそのスポットについての説明と文章が添えてある。

 コンセプトは巻頭と巻末の解説に詳しいが、デジタルなコンテンツが溢れるこの時代に敢えて「紙の雑誌」を作ることに意味があるという。商業主義的な意図に汚された情報のキュレーションではなく、個人の目を通して見える世界の記録であり、リアルな世界の潮流や現場の皮膚感覚がページをめくるごとに体験できる。今読んでも楽しいが、5年後、10年後に読んでもきっと楽しいだろう。時間的、空間的いずれの意味においてもエッジィなスポットを切り取った貴重な一次資料となっており、何より読み物として単純に面白い。

 旅を続けながら、考えを深め、自分のやりたい方法で何かを創造する。同じような生き方をしたい願望が自分の中にある。自分はこの先どんなふうに生きようか最近よく考える。写真撮影の技術もそのうち追求するかもしれない。
   

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