2018年4月5日木曜日

オアシス:スーパーソニック


 iTunesストアで音楽ドキュメンタリー特集をやっていたので観た2016年作品。1991年にマンチェスターでデビューしたロックバンドのオアシスがイギリス史上最速でミュージックシーンの頂点へと駆け上がり、伝説となった1996年のネブワースでの大規模ライブに至るまでの軌跡を追う。

 およそ常識の通用しない、酒とドラッグと喧嘩に明け暮れるリアムとノエルのギャラガー兄弟は反知性主義の王道を行く感じがして私は好きなんだが、なぜ彼らに何者にも代え難い魅力が宿るのか、それを考えるいい機会になった。まあなんというか、動物的本能のままに生きる彼らの姿を見ていると、世間を恐れ、守りに入り、文明やセコい計算に汚された自分の卑小さに気付かされるのだ。オアシスの面々が救いようのない馬鹿であることは疑いのないところだが、生命力溢れる悪童が楽しそうに遊ぶ姿を見て、何か感じ入るものがあるのはそのせいだろう。

 私が一番好きなのは『Whatever』のPVだが、それは入っていない。映像におさまっているシーンの8割方ふてくされているか悪態ついているかのリアムが奇跡的に調和してノッている瞬間があり、それが最強に格好いい。
   

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