2017年12月8日金曜日

医龍 -Team Medical Dragon-


 読んでいたのは医師国家試験前だったか。数年ぶりに再読。全25巻。

 大学病院の心臓血管外科の教授戦を舞台に天才外科医・朝田龍太郎らが暴れ回る医療ドラマである。権力闘争、医局制度、天才の孤独、凡人の葛藤、色恋と成長、医療倫理、など、医療現場を中心に豊穰なヒューマンドラマが描かれる。

 絵も巧いがプロットがいい。朝田、ミキ、加藤、鬼頭などのセクシーな性的強者の妖艶さもいいが、野口、木原、鱈淵なんかの醜悪な面子の造型が内面を含め秀逸。強き医療人が放つ圧倒的な魅力と、そうはなれない大多数の凡人の人間臭い弱さ。そんな格好よさと醜さの対比が際立つ。彼らが化学反応を起こし、葛藤し、限界を超え、課題を克服せんとする戦いのサーガが描かれる。医療ネタの突っ込みどころは多々あるが読めるレベルではある(他にもっとひどいのあるし)。

 最終話はミスチルの『prelude』(16thアルバムSENSE所収)や『HERO』にインスパイアされたのかと個人的に思っている。全編を通して高いテンションが続き、最後には素晴らしい読後感がある。好きだ。
   

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