西暦2054年アメリカ。将来的に殺人を起こす人物を特定して逮捕するシステムが確立し、殺人事件の発生率は激減している。その一連の担当部署である「犯罪予防局」に勤める男の話。トム・クルーズ主演、スティーブン・スピルバーグ監督、フィリップ・K・ディック原作の2002年作品。
特筆すべきは未来の都市の描写。AIで制御された自動車、3Dホログラムの広告、iPadのタッチパネルの進化版みたいなディスプレイ、など「手塚漫画の未来都市の実写版みたいな街」というミスチルの歌詞の一節のようなテクノロジー多数。SF小説で描かれた世界の再現度が高く、観ていて単純に楽しい。
ストーリーはだいたい『PSYCHO-PASS』と一緒、というかこちらが元ネタの感がある管理社会のディストピア。犯罪性向の高い者を前もって知ることで犯罪を予防できるというロジックは自明だが、それって人権的にどうなのよ、という問いを提起する。結局は狡猾な誰かの権力の把握に利用されるというのも、繰り返し描かれてきたテーマである。
終盤の展開が蛇足だった気がするが、観ていてずっと楽しかったので良しとする。
安定して楽しめるスピルバーグ節の大衆娯楽という感じ。
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