2016年12月14日水曜日

のぼうの城


 「のぼう様」と呼ばれる殿様の治める城が攻め込まれて戦うという話。脚色もあるが、内容は史実に基づく。

 時は戦国の世、兵力500程度の小国が、2万を越える圧倒的な大群を率いた石田三成の軍をいかにして破るか…という話。臣下にも、城下の民にさえも、鈍重な愚物と思われていた君主・成田長親(ながちか)が、国の存亡がかかった究極の局面に立たされる。

 期せずして、『アッパレ戦国大合戦』と近い時代で、映像的に情景が浮かんで楽しめた。内容は弱小チームの番狂わせであり、GIANT KILLINGな物語であり、人物造型が現代風になっていたり、潔くエンターテイメントしていて、読んでいて楽しかった。

 良質な大衆娯楽。若者の時代小説入門にちょうどいい。
    

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