2016年11月3日木曜日

ボウリング・フォー・コロンバイン


 動画サイトで見つけて10年ぶりくらいに観た。1999年のコロンバイン高校銃乱射事件に材を得たマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー。2003年作品。

 「どうしてアメリカでは大量の銃による殺人事件が起こるのか?」という問いの答えを求め、監督が自らアメリカと隣国のカナダを駆け回る。テロ事件の犯人の家族、町行く人、事件の被害者、アメリカ銃協会(NRA)の会長など、突撃インタビューで生の声を集め、真相に近づこうとする。

 しかし、映画の結論としては「よく分からん」。タイトルが暗に示しているのだが、アメリカで銃による殺人が突出して多いことの直接的な単一の原因は見つからない。とはいえ、監督の頭の中ではその原因はほぼアタリがついている。経済格差や人種差別が生み出すヘイト(憎しみ)やマスコミが植えつける恐怖、そこに銃器への容易なアクセス(手に入れやすさ)が加わると多くの銃犯罪が起きる。(編集による印象操作もあるらしいが)本作品はそれを明示しているように思える。

 凝縮した憎しみor恐怖or絶望+簡単に手に入る銃=犯罪。それが明白な答えに思えても、立証は難しい。無差別の大量殺人が起きるのはいつも、どこでも、似たような原理なのだと思う。
   
   

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