『パタリロ!』の作者の埼玉差別漫画。
コンビニで売っていた再録の短編集を購入。
表題作は1980年代の作品だが、清々しいほどのヘイトが全編を貫く。「埼玉なんて言ってるだけで口が埼玉になるわ!」「埼玉狩り」「サイタマラリヤ(病原菌)」などのワードが頻出し、ひたすら東京都民から差別を受け弾圧される埼玉県民の姿が描かれる。埼玉県民が茨城県民を見下しているあたりが何とも言えずリアルである。
これがギャグ漫画として成立していたあたり時代としか言いようがないが、2000年代の芸術表現一般に欠如しているある種の残虐さや潔さが際立っているという点は特筆に値するように思う。2000年以前の世の中に沢山あった差別の空気感が伝わる歴史的史料である。
ひどすぎて逆に笑える、という一言に尽きる。
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