2015年5月26日火曜日

NOVA


 大森望責任編集の書き下ろし日本SFコレクションの1冊目。2009年時点での日本SFの気鋭の作家陣による作品を集めた短編集である。好きだったのは以下。

 社員たち(北野勇作):シュールでいてすっきり読みやすい。
 エンゼルフレンチ(藤田雅矢):軽くインターステラー風味なジュブナイルの恋愛。
 ガラスの地球を救え!(田中啓文):悪ふざけの度がすぎてもはや清々しい。
 屍者の帝国(伊藤計劃):序章のみで終わった遺稿だが、それ故に味わいが増している。
 
 他、プログラミングのテキスト的なネタらしい黎明コンビニ血祭り実話SP(牧野修)、Beaver Weaver(円城塔)、自生の夢(飛浩隆)は難易度高くよく分からなかった。いつかSF読書力が上がって楽しめるようになる日は来るんだろうか。

 全体として、現代日本SFの入門にはいい感じ。ジャンルも雑多でバランスが良い。10冊くらいあるシリーズなので続きも期待。
   

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