藤子不二雄Ⓐのブラックユーモア[黒イせぇるすまん]
藤子不二雄のAの方の我孫子さんの短編集。
後の『笑うせぇるすまん』の原型になる読み切り『黒イせぇるすまん』やナチスの恐怖を戯画化した『ヒトラー伯父さん』などダークな話多し。マカオやタヒチへの旅行記も所収。世の中にはいじめる人間といじめられる人間がいて、いじめられ続けた側の鬱屈してねじれた黒い感情が結晶化されたような作品が続く。
どの話も厭な人や狂人ばっかり出てくる。登場人物の顔は少ない線で書かれているのに、狡猾さや卑屈さなど活き活きとその性質が伝わる。
人の世を生きていくための免疫をつける毒とか、そういう効用がある。
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