ユービック
フィリップ・K・ディックのSF小説。1969年作品。
テレパシーや予知など能力を持つ超能力者たちと、その能力を無効化する能力をもつ不活性者たちが戦いを繰り広げる時代。不活性者達が超能力者達との決戦のために乗り込んだ月で敵の罠が待っていて、、、という作品。
難解なワードが怒濤のごとく現れるためSF初心者にはハードルが高めで、雰囲気に慣れるまでは心の強さが必要。舞台装置はSFだが、主人公たちが巻き込まれた奇怪な現象(逆行する時間、死んだはずの雇い主からのメッセージ)の謎を解くミステリ要素が強い。ハヤカワSF文庫の後ろのカバーのあらすじで激しくネタバレするので先に読まないよう注意が必要。
時間、命、虚構と現実など、作品の主題に言及する作者のエッセイが巻末の解説で紹介されているが、激しく哲学的で理解は困難だった。とは言え作品自体、難解な一方で誰が読んでも面白いエンターテイメント性がある。認識を揺さぶられながら核心に近づいていく感覚。そういうのが楽しめる。
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