永遠の0
太平洋戦争の特攻隊員として命を落とした祖父について調べる青年の話。
文庫は300万部売れているそうで現在日本の文庫本売り上げ歴代1位らしい。Amazonのレビューでは絶賛の声が溢れ、そして、戦争が主題の他の例に漏れず、ネット上では「戦争や特攻を美化している」「歴史的事実を曲解している」と一生懸命批判する人間がちらほら見える。
私は作家として物語を編み上げることは「祈り」だと思っている。何故この題材を選んだか、何を伝えたかったか、何を望んでいるのか。制作者がその心中を語らずとも、生み落とされた物語は雄弁に語る。
物語が進むにつれ、絶望的な状況下で信念に生きた一人の男の像が浮かび上がっていく。その軌跡を追うことで、先人への崇敬の念や、己の内側が浄化される感覚は生まれる。情愛や感謝を忘れ、即物的思考と倦怠の時代を生きる日本人に伝えたいメッセージが随所に込められている。
元旦に読んでいた本だが、今年のベストになりそう。
戦時の日本の真実を知りたい人がいたら、この本を最初に勧めたい。
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