西之園萌絵と犀川創平の二人が難事件に挑むS&Nシリーズの2作目。
本作では大学の低温実験室で起きた密室殺人のトリックに挑む。
話の構造自体は王道のミステリ(推理小説)だが、理系な世界観による味付けがなされている。
登場する主要人物は皆、冷徹で合理的な理系マインドをもつ。
仮説と検証。演繹と議論。
理系人間としての哲学や挟持が、会話や振る舞いの端々に宿る。
門外漢には未知の世界の言語にも映る、頻繁に登場する工学系の衒学的な語彙も理系学部独特の空気を醸している。
理系の美学、哲学、醍醐味がつまっている。
そして、作者が名大工学部の助教授だったっていうのが一番キャラが立っている。
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