結構漫画を読んでて手厳しい評価をくだしがちな人達が皆「面白い」と口を揃える作品。架空の戦記物だが、皇国=日本軍、帝国=ロシア軍(+東欧)のモデルは明らかで、太平洋戦争の時代の空気を感じながら読むのが正しい。人と話せる龍や、導術使い、剣牙虎なんかが登場することで世界観にファンタジックなムードが加わる。
何がいいって、主人公である新城直衛の人間性に尽きる。短躯と三白眼の凶相、名家に引き取られた戦災孤児という複雑な出自。綺麗事に逃げない。悪評を恐れない。大局を見誤らない。人間味溢れる劣等や怯懦を、冷徹で酷薄な現実主義者の仮面の下に隠して。劣勢も逆境も己の弱さも、受け止めて、最悪の中に最善を見い出す男。
漫画版は途中で始まって、途中で終わる感じ。
全5巻なので読みやすいし、薦めやすい。
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