破天荒な精神科医が現代人の心の病に挑むシリーズ、の3冊目。
神経症圏の疾患多し。というか全部。
心因性の認知の歪みを巨大な稚児のような怪物、伊良部一郎が解きほぐす。
3冊目は(当時の)旬のネタが多い。
ナベツネ、ライブドアの堀江、黒木瞳。
飄々とした語り口にくたびれた大人の哀愁と滑稽さが漂う。
全作に通底するのは「肩肘張って生きんなよ」という処世訓である。
基本的にはアホっぽい伊良部がさらっと核心的な病理構造を言い当てるという構成。
定型の型があり、安心して楽しめる。
これが大人の娯楽なのかもしれない。
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