2014年6月29日日曜日

トップガン


 1980年代のアメリカ、海軍の上位1%のエリートパイロット養成所の話。

 負けん気の強い若造が勇敢に戦い、成長し、ロマンスを楽しむ。
 生きることが今よりももっとシンプルだった時代の話。

 精悍な顔つきのトム・クルーズを観るための映画。
   

2014年6月18日水曜日

グレート・ギャツビー


 そう−−−ギャツビーは最後の最後に、彼が人としてまっすぐであったことを僕に示してくれた。果たされることなく終わった哀しみや、人の短命な至福に対して、僕が一時的にせよこうして心を閉ざすことになったのは、ギャツビーをいいように食い物にしていた連中のせいであり、彼の夢の航跡を汚すように浮かんでいた、醜い塵芥のせいなのだ。

・・・

 何となく気にはなっていたけれど手に取るには至らずに本棚で眠っていた本。出張の長時間の移動の合間に読み始めたが、一泊二日で読み終えて、自分にとって大切な一冊になった。

 近代アメリカ文学を代表する名作として名高いこの小説は1920年代のアメリカ東海岸の物語である。証券会社で働き始めた主人公ニック・キャラウェイは、ニューヨーク郊外のロングアイランドの岬の小さな安普請に住むことになった。そこで彼は豪奢な邸宅に一人で住み、週末には絢爛なパーティーを開催する奇妙な隣人ジェイ・ギャツビーに出会った。

 情熱的な恋と幻滅。下層から成り上がった一人の男の人生の悲しみ。心の流れが精緻に描かれ、情景の一つ一つが胸に迫ってくる。綾を織りなすプロット、命の宿る登場人物の造形、息づかいを感じる文章のリズム、全ての調和が美しい。時代を超えて読まれ継がれる歴史的名作というのも頷ける。

 今回読んだのは村上春樹の翻訳によるもので、原文の雰囲気を忠実に再現しようとしたそう。氏の思い入れたっぷりのあとがきも味わい深い。容赦ない悲しみを傍観する淡白な主人公の視点など、カート・ヴォネガットやジョン・アーヴィングと同じく村上春樹文学を形成するセンスの源流が感じられる。  

 いつかまたじっくりと読み返したい。そう思える傑作。
   

2014年6月9日月曜日

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン


 母の死を描いたリリー・フランキーの自伝小説。2006年度本屋大賞。
 エッセイや対談と同じように、作者特有のユルい空気と文化的素養とキレのある洞察が混在しながら回想が進む。北九州での少年時代、大分の高校での下宿生活から大学以降の東京での生活。ファンキーで笑える楽しいエピソードが多いが、どの時代にも必ず母との思い出がある。

 泣けるかと問われると、私のツボにはこなかった。
 絆を描く家族の物語としてはいい感じ。時々現れるオトンが実にいい。

 ふざけているようで本気。読んでいる最中ずっと楽しい。
 これがきっとリリー・フランキー節。
    

2014年5月27日火曜日

きっと、うまくいく


 2月にゼロ・グラビティが今年の映画観たナンバーワンになると断言してしまいましたが、すいません、こちらが1位です。

 インドの理系エリートが集まる工科大学の話。
 テーマは金城一紀の小説に通じる「社会構造を変えるための生き方」
 小気味良いテンポ、絶妙なプロット、インド映画お約束の歌や踊りも素晴らしい。

 生きる歓びが溢れ、元気が湧き出てくる、最高の娯楽映画。
 絶対お勧め。

    

2014年5月26日月曜日

スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬篇


 ホラーの名手スティーブン・キングが書いたホラーではない中編を集めた作品集。秋冬篇。
・スタンド・バイ・ミー(原題 The Body)
 映画にもなった、12歳の4人の少年が夏の終わりに線路沿いに歩いて死体を見に行く話。作家になった主人公ゴードン・ラチャンスの回想という形式で綴られる。少年達は一見すると年相応に無邪気で無鉄砲なようで、それぞれ養育環境に問題があり心に傷を抱えている。
 死体や吸血ヒルや暴力の描写など、とても美しいとは言い難い表象が多いけれども、揺れ動く少年達の不定形な心の流れが読み手に感傷を与える。ものの本によると「逆境を乗り越えて生き抜くレジリエンスの物語」とのことで読み始めたが、その通り、痛みを乗り越える少年の話であると思う。そのための儀礼は時として、醜悪で過酷な旅の形をとるのだ。

・マンハッタンの奇譚クラブ(原題 The Breathing Method)
 ニューヨークはマンハッタンの法律事務所で働く初老の男性である主人公は、ある日、知人に誘われ社交クラブを訪れる。そこには上質な家具、静謐な空気、興味深い蔵書と美味しい飲み物(スコッチソーダ)があり、紳士達が毎夜、奇妙で興趣に富んだ物語を披露し、互いに耳を傾ける。クリスマスの夜に語られる、婦人科医師を長年続けた男の話が作中のメイン。
 このブログのコンセプトに近いものを感じた。閉塞しがちで退屈な日常に命を与えるのは、醜悪なものであれ、非現実的なものであれ、活き活きとした物語なのである。
   

2014年5月15日木曜日

チャンネルはそのまま!


疫病が流行してもかからない人間がいる。 
種としての全滅を免れる… 
そのための「バカ枠」だ。

・・・

 北海道のローカルテレビ局に「バカ枠」として入社した新入社員が主人公。丹念に取材された地方局の仕事の実体を『動物のお医者さん』『おたんこナース』の作者がコメディタッチで描く。

 要領の良いスマートな優等生ばかりでは組織の持続的な成長は望めない、というのが根底にあるテーマ。行列から離れて自由に動くイレギュラーな蟻のように、奔放で空気を読まない主人公の雪丸花子が硬直しかけた組織に新たな視点とチャンスをもたらす。

 北海道のローカルネタが盛り沢山で、道民が読めばきっと5倍くらい楽しめる。主人公の会社(☆ほしテレビ)のモデルはHTB、圧倒的視聴率を誇る獰猛なライバル(ひぐまテレビ)はSTV。

 ちなみに後半で登場人物たちが読んでいる『働かないアリに意義がある』という本の作者は北海道大学の教員である。
   

2014年5月4日日曜日

オーシャンズ11


 犯罪者のオールスターでラスベガスのカジノの金を強奪しよう、という話。
 出演者も主役級のハリウッドスターのビッグネームが並ぶ。

 内容は普通に面白いクライム・サスペンス。
 ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツのオーラ溢れる立ち居振る舞いが楽しめる。
 
 個人的にはいつも何か食べてるブラッド・ピットが好き。
   

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