2014年4月20日日曜日

サタデー・ナイト・フィーバー


 ニューヨークのブルックリンで冴えない日々を送る若者が土曜の夜はディスコ・キングとして輝くという話。若きジョン・トラボルタ扮する主人公が女の誘惑にも負けず、ストイックにディスコ・ダンスの技術を磨く。

 70年代アメリカの社会風俗の良き教材となる映像作品であるように思う。
 デカい襟の開襟シャツに細身のフレアーパンツ。男には自信があった時代。

 寂しさが漂いながらも、音楽と踊りが楽しい映画である。
 教養としても娯楽としてもいい感じ。
   

2014年4月8日火曜日

インビクタス 負けざる者たち


 1994年の南アフリカ共和国の大統領選で初の黒人大統領として当選したネルソン・マンデラが、低迷していた白人メンバーが主に占める南アフリカの代表のラグビーチームの勝利を通じて国の一体感を演出する、という話。マンデラの自伝に書かれた事実に基づいているそう。

 マンデラ大統領役には品位と風格漂うモーガン・フリーマン。ラグビーのキャプテンは知性と静かな闘志をたたえたマット・デイモン。監督は孤高の男の闘いを描く社会派ドラマに定評があるクリント・イーストウッド。

 特記すべき要素はないが、普通に感動する。
 観ていて安心感のある優等生な作品。
   

2014年4月6日日曜日

ロリータ


 スタンリー・キューブリック監督の初期作品。
 「ロリコン」の語源にもなったウラジーミル・ナボコフの原作小説を映像化した、中年のいい男が十代の少女に入れ込む話。

 『博士の異常な愛情』にも出てくるピーター・セラーズがこちらでも狂気の天才を演じている。キューブリックが表現しようとしていた偏執狂的な情愛との相性がいいのだろうか。

 白黒で154分の長尺だが、思いのほか楽しめた。
 キューブリックは精神分析が好きらしい。
   


2014年3月27日木曜日

レヴォリューションno.3


 「一番好きな小説家は誰か?」と問われたら、金城一紀と答えることが多い。ドストエフスキーやヘミングウェイや三島由紀夫と答えた方が格好がつくことは承知しているが(実際TPOの都合上そういう答えをする場面も多いんだが)、本音を言わせてもらえれば間違いなく『GO』やこの作品の作者である彼の名を挙げたい。
 
 その作風とはどんな性質か。
 笑えて泣ける。これに尽きる。

 都内屈指の偏差値の低さをもつ底辺高校の男達がゾンビーズというチームを結成し、近所のお嬢様が通う女子高の学校祭への潜入に挑む表題作と他2編を所収。アホな偉業に本気で挑む情熱の裏には、深い悲しみを乗り越えた悟りがある。読むと生きる力が湧いてくる。

 誰に勧めても面白いという感想が返ってくるテッパンの娯楽小説。
 久しぶりに読み返してみたらやっぱりハンパなかった。

 オススメっす。
  

2014年3月23日日曜日

ビューティフルマインド


 「ゲーム理論」の産みの親、ノーベル経済賞学者ジョン・ナッシュの生涯を描いた作品。
 
 実在の人物の生涯がベースになっているため調べればすぐに分かることだが、ネタバレしないように人に説明するのが難しい映画である。変人な天才ジョン・ナッシュが政府の陰謀などトラブルに巻き込まれて苦労する話。

 2001年のアカデミー作品賞を受賞しているが、娯楽作品としては今イチ。
 実話自体がいい話なので、筆者は職場の心理教育の際に紹介することにしている。
   

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン


 実在の詐欺師フランク・アバグネイルの生涯をモデルにした映画。

 監督スティーブン・スピルバーグは捨て子の物語を創り続けてきたとどこかの評論で読んだが(伊藤計劃か阿部和重だったと思う)、その例に漏れず原作(邦題:世界をだました男)を換骨奪胎し、喪った家族との日々への感傷を抱き続ける寂しい青年の物語になっている。レオナルド・ディカプリオ扮する浮世離れした色男を、人生経験豊富な大人の風情漂うトム・ハンクス扮する刑事が負う物語になっている。構図がこの間観たウルフ・オブ・ウォールストリートに似ている。

 個人的には詐欺師としての実像にフォーカスした原作の方が好き。

 映画は女子供の受けを狙ってエンターテイメントしている感じ。
   

2014年3月10日月曜日

悲しみよ こんにちは

 
 フランス人の17歳の女の子が寡夫の父親とその愛人二人と南仏の別荘で過ごす話。女たらしの父親との暮らしを愛するそれなりに聡明で奔放な主人公セシルが、愛人相手にいろいろ画策する。作者フランソワーズ・サガンが18歳で書いた処女作。

 情事が思考の大部分を占めるフランス人の思考様式が分かる。哲学や文学の格調高い用語を弄しても、人間って結局こんなもんだよね、という悟りに近づける好著。
   

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